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2011年4月 3日 (日)

報道だけでは見えない「鎬を削る」攻防

本日は、千葉県浦安市で選挙事務が行えない状況となっている報道から考察したいと思います。

【以下転載開始】--------------------------------------

「やりたくてもできない」浦安市、投票なき選挙選に突入 総務省にも打つ手なし

2011.4.2 01:12 産経新聞

東日本大震災の影響で、県議選の実施を拒否している千葉県浦安市で1日、現職2人と新人1人が同選挙区(定数2)から立候補した。松崎秀樹市長は同日、改めて選挙は不可能との考えを強調。これに対し、県選挙管理委員会は地方自治法に基づき「適正に投開票事務を執行するよう」と勧告した。ただ、勧告に強制力や罰則はなく、県議選が告示されても投票できないという異例の事態となりそうだ。

「やりたくてもできない」。松崎市長は1日の記者会見で、期日前投票を含め現時点での選挙執行は不可能との考えを強調した。「『選挙ができる』というのと『選挙事務ができる』というのでは違う。全力で復旧活動に取り組んでいる中、職員を出せない」という理由だ。

市側はポスター掲示板の設置もしておらず、各陣営は選挙ポスターが貼れないまま。有権者への投票所入場整理券の発送なども行っていない。片山善博総務相は同日、「万難を排して選挙の管理執行にあたってほしい。そうしなければ法律違反になる」と強調した。

しかし、想定外の事態に、総務省や県選管には打つ手がないのが実情だ。例えば、2日に期日前投票所が設置されなければ公職選挙法違反の状態にもなる。

このまま投票が行われなかった場合、50日以内に再選挙の実施となるのが一般的とみられているが、県選管は「今まで想定してなかった事態なので…」と今後の対応にも苦慮している。

【転載終わり】---------------------------------------

そして、浦安市の被害状況を・・・

23040301

↑たしかに、浦安市の断水状況は33,000戸と千葉県下で一番の被害となっています。

上水や下水が使えず、地盤は液状化で往来に著しい影響があるという状況は、テレビ等報道でも我々のところに伝わってきているものです。

また、ウィキペディアによると「3月11日 2011年東北地方太平洋沖地震の被害・影響として、液状化現象により中町・新町地区で道路が波打つ凹凸、住宅や電柱の傾き、地割れ、陥没などが起こった。3月21日時点で水道断水約4,000戸、下水道使用制限約11,900世帯、都市ガス供給停止約5,800件である。市は被害額734億円と推計している。」とあります。

つぎに、浦安市の要望行為について掲載します。

【以下転載開始】-------------------------------------

統一地方選延期特例法に基づく指定を求める要望書を提出

2011年3月21日

市は、「平成23年東北地方太平洋沖地震に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律」(統一地方選延期特例法)第1条第1項の規定による選挙を適正に行うことが困難と認められる市町村としての指定を求める要望書を3月21日に総務省と千葉県選挙管理委員会に提出しました。

浦安市は、東北地方太平洋沖地震により、中町・新町地域を中心に甚大な被害を受けました。地震発生後、1時間以内に災害対策本部を立ち上げ、被害の全容を把握するとともに、その対策に全力を挙げているところですが、中町・新町地域全域に及ぶ液状化により、多くの道路、上下水道、ガス施設などのライフラインの被害は甚だしく、特に上下水道の被害は壊滅状態といっても過言ではない状況です。

そのため、現在、復旧作業に、陸・海の自衛隊、千葉県、近隣の江戸川区、市川市、船橋市などの協力を受け、不休の体制で一日も早い全面復旧に全力で臨んでいるところですが、被災後10日が経過した現在も、ライフライン復旧の目処が立たず、トイレや風呂が使えず、さらには洗濯ができないなど、自宅避難民としての生活を余儀なくされています。

特に、戸建住宅は被害も多く発生しており、倒壊の危険性のある住宅、傾いている住宅、液状化現象により流出した土砂などが敷地に堆積している住宅などが数多く残っている状況で、居住者の多くは、市域外の親類などを頼り、一時避難をしている状態です。

「統一地方選延期特例法」第1条第6項によれば、県の選挙管理委員会は同条第5項の規定による意見を総務大臣に述べるに当たり、当該市町村の意見を聴くものとされていますが、千葉県選挙管理委員会委員長は、このような状況の中でも統一地方選を実施しようとしており、そのことは、市民の安全を考える自治体の長として受け入れることはできません。

以上のような状況の中、4月10日に執行予定の千葉県議会議員一般選挙、同月24日執行予定の浦安市議会議員一般選挙は、

1.有権者及び候補者の安全が確保できない、

2.有権者が適正な判断をすることができる状況ではない、

3.候補者が十分な選挙活動を果たすことができる状況ではない、

4.正常な投開票を行うこと自体、物理的に不可能である

という理由により、延期されるべきであることから、統一地方選延期特例法第1条第1項の規定による総務大臣の指定の対象として、浦安市を加えていただくよう要望書を総務大臣政務官、総務副大臣、総務省自治行政局選挙部長に提出しました。

また、同じく、千葉県選挙管理委員会委員長に対し、市選挙管理委員会委員長ととも要望書を提出しました。

【転載終わり】----------------------------------------

この浦安市の要望を受けて、千葉県選挙管理員会はつぎのコメントを出されています。

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↑ということで、県選管としては、「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律第1条第1項」の指定を要しないと総務大臣に回答した、とあります。

しかし、国はこの浦安市の状況も包括した人的支援についてすぐに反応しています。

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↑この総務省の人的支援通知には、選挙に関する事務も含まれているものと思料します。

そして浦安市さんは、この国からの呼びかけに応じています。

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230403004

↑ということで、浦安市さんは14名の人員派遣要望を出されています。しかし、これは3月30日段階ですから、4月1日告示に間に合わなないという判断があったのかもしれません。

そして、昨日浦安市は「公職選挙法に規定する事務の執行について(是正の指示)」を千葉選管から受けています。つぎの文書はそれを受けての浦安市の回答↓

230403005

このように、事実関係を羅列したうえで、考察

①まず、千葉県下における浦安市の罹災状況でありますが、報道で見てのとおり日常生活を取り戻すには相当な月日を要する被災地域でありますが、千葉県下にはほかにも直接津波被害があるなど罹災した地域があり、千葉県としては、ほかの罹災地域で選挙が可能で浦安市が不可能という部分に疑問符が付いたのかもしれません。

②つぎに、浦安市が国及び千葉県に「現状では選挙事務ができない」と意見具申した件についてですが、国は浦安市に人員派遣要望を聞き、それに従い人員派遣を決定しております。

その派遣職員が告示に間に合わなかったということなのかどうかはわかりませんが、浦安市は、選挙事務を開始していません。

③つぎに、当該選挙区の立候補者の受付をし、受理しているという点であります。

立候補者からすれば、受理された時点で選挙運動を開始できるのであり、その運動は税金によって賄われている部分が少なからずあります。(ポスター製作費、選挙カーの運行にかかる費用、選挙ハガキ費用など)

立候補された方々はすでに税金をこの選挙に使っているのであります。

以上のことから、私は選挙を行うべきではないかと考えた次第です。

しかし、時すでに遅し。

千葉県議選は、当該選挙区において50日以内に再選挙となるのでしょうか?

他地域ではありますが、同じ地方議会での混乱であり、今回の事案については我々もよく研究しておく必要があると思いましたので、考察を掲載しました。

宮尾 孝三郎

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