2010「北方領土の日」県民のつどい
2月7日は、北方領土の日であります。
本日、北方領土返還要求運動滋賀県民会議主催『2010「北方領土の日」県民のつどい』があり、参加してまいりました。
昨年のつどいのブログ記事はコチラ↓
2009年2月 9日 (月) 2009「北方領土の日」県民のつどい
↑県民のつどいパンフレット表紙
↑内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)・北方対策本部長 前原誠司氏の挨拶文
嘉田 由紀子滋賀県知事は所用があったとかで代理者が出席しておりましたが、目片信大津市長は、出席いただいておりました。
さて、今回の講演は「鳩山政権と日ロ関係」という演題でNHK解説委員室解説主幹 山内聡彦(としひこ)氏のおはなしでありました。
お話は、さすが報道関係者!と感じさせるもので、前後関係も含め分かりやすくお話いただきました。
“1 ロシアの現状”を冒頭お話いただきましたが、昨年のロシアは11年ぶりのマイナス成長で外貨準備も3分の2に減少した(6000億ドル⇒4300億ドル)とのことです。株価も80%の下落。
一昨年までロシアは天然ガスや石油といったエネルギーを生業に10年間の経済成長を続けておりましたが、2008年7月の石油価格のピークを境に下落を始めます。そして2008年8月7日にグルジア侵攻による疲弊と、その直後の世界金融危機という3つの危機がロシア経済を直撃しました。
そのような状況は、実体経済にも影響し、高層建築の工事がストップしたり、個人消費にも大きな蔭りが出てきます。製造業や自動車産業なども打撃が走り、企業城下町にぶら下がる中小企業は軒並み倒産し、現在620万人もの失業者が現出し、国内で抗議デモが多発しているというのが現状のようでした。
メドベーチェフ大統領は、近代化のための経済外交を重視し、外国からの新技術や資本の獲得に関心を深めています。「国民の生活水準を上げるための外交」と、外交姿勢を示しているとの内容は、特に興味深いものがありました。
つぎに“2 北方領土交渉、失われた3回のチャンス”では、ソ連崩壊直後の1992年3月来日のコーズィレフ外相の日本に対する秘密提案、1997年11月のクラスノヤルスク合意、2000年9月プーチン大統領訪日という3回のチャンスが生かされなかったことについて述べられました。
次ぎに“3 行き詰った領土交渉”では、安倍政権が始めた新たな戦略、つまりロシアによる東シベリア・極東開発に日本が協力をするというビジョンであります。
このビジョンは福田・麻生政権も踏襲します。この動きの背景はロシア側の「対日関係重視」という路線がありました。
これは、ロシアの欧米市場に対する行き詰まり感から、アジアに路線を変更したというのが本音のようであります。
これにより、日本政府は、東シベリア・極東開発において8分野で技術協力を決定します。(2007年)
2009年2月に麻生首相はメドベーチェフ大統領とサハリンで会談し、領土問題においても悪くない感触を得ますが、5月には麻生首相の「北方領土不法占拠」発言があり、その後、ロシア議会が日本側の北特法(北方領土を「わが国固有の領土」と明記した改正北方領土問題等解決促進特別措置法2009年7月改正)を批判し、7月9日に行われた麻生・メドベーチェフ会談で互いに感情的になり罵倒しあうといった局面もあり、これまでの先人の積み上げてきた北方領土問題は水の泡と帰しました。
最後に“4 鳩山政権発足で領土交渉は仕切り直し”では、鳩山首相の軽率な発言がクローズアップされました。領土問題解決には、長期的な戦略が必要でありますが鳩山首相は「領土問題の解決に半年でメドをつけたい。」と発言しました。期限をコチラから切ってしまうと交渉になりえません。相手方は、その軽率な発言を大いに利用するであろうということであります。
そして、まとめでありますが、山内氏は、「戦時に失った領土を平時に取り戻すのは極めて困難であるが、我々日本人は『四島返還』で一致し、返還運動を粘り強く推進していくことが大事」と述べられました。
日本の世論が「『二島返還』でいいではないか」となれば、国の交渉力は失われ、我々の固有の領土に主権が回復することは二度とないであろうとこのことでありました。
大変、勉強になりました。
“つどい”が終わって、トイレにまいりますと、つどいに参加されていた方々が「知事が代理を出して来ないなんて、ロシア側に足元を見られてしまっている。県会議員や市会議員の参加もあまりないようだが、このような状況をロシアは本国に即座に報告するであろう。」とおっしゃっていました。
なかなか鋭い指摘であります。日本国内にロシア側の情報収集員がいるという前提で物事を見ないといけませんね。恐縮しました。
宮尾 孝三郎




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