リーダーシップの欠如
フォーリン・アフェアーズ・リポート誌2010年1月号の「シリーズ企画 日本の国益を考える Part4 日本というシステム」のうち、カレル・ヴァン・ウォルフレンが書いた「日本問題―異質な制度と特異性に目を向けよ」(Classic Selection 1986)を読んでいて、面白いことに気づきました。
ウォルフレンは、この文章中次のように述べているくだりがあります。
『1945年に日本へ到着したダグラス・マッカーサー将軍と対日占領改革チームは、一般には強固な軍事独裁制の残滓と広く信じられていた諸制度を解体することをその目的に据えた。「日本に自滅的な攻撃をもくろませた元凶は強力なリーダーシップの欠如だったのかも知れない」などとは、当時は誰も考えなかった。』
これは、米国戦略爆撃調査団が近衛文麿公爵に対して尋問した際の、公爵の見解を述べているようです。
さて、我が国は、少なくとも大東亜戦争を始めた1941年から、上記記事をウォルフレンが書いた1986年そして現在にあっても、本質は変わっていないようであります。
我が国における強力なリーダーシップの欠如。
例えば、近衛文麿公爵が首相の座を東条英機に譲った大東亜戦争開戦当時、このような印象を持っていたと米国戦略爆撃調査団は記録しています。
ポール・ニッツ副団長「あなたは、1941年12月の時点ですでに、日本は戦争を成功裡に収拾することはできないと思っていた、と、こういうわけか」
近衛公爵「まったく、あなたのいわれるとおりだ。全然チャンスはないものと思っていた。」
近衛公爵は、つぎのようにも述べています。「彼ら(日本帝国陸海軍部)の計画の基本になる戦略のことを知るのは、軍関係者の外部にある私たちには、ほとんど不可能だった。」
そのとき、軍部と政府が二元化しており、統帥権の独立によって、政府や帝国議会は軍事に口出しできない状態になっていたと歴史は述べています。
かといって、当時の陸海軍は、その戦争の見通しが立っていたのかといえば、そうではなく、山本五十六連合艦隊司令長官は「戦争になれば、最初の1年はやって行けるが、その後のことはうけあえない」と発言しており、陸軍の指導者が持っていたプランはただひとつ「あくまで戦い抜く」というあまりにもおそまつなモノでありました。
さて、現代に戻ります。
自民党が歴史的大敗をしましたが、「安定感をもって漂い続ける」感は、末期症状として誰もが感じていたことと思います。
そして、民主党政権となりましたが、今度はマスコミが民主党を叩きまくっています。
もし、マスコミの攻撃が功を奏して民主党が倒れたときには、一体どのような勢力が日本の政権を担うのか?
その先のビジョンを持った上での戦術であるなら、お任せしても良いのですが、(マスコミにそのような世論操作をさせてよいのかという話もありますが・・・)今度は政治家ではなく全く見えない勢力が、かつての経済大国日本を路頭に迷わそうとしているようです。
強烈なリーダーシップがなければ、烏合の衆と化した日本国民は途方にくれるでありましょう。
宮尾 孝三郎


かといって、このまま民主党に委ねれば
間違いなく日本という国はなくなると思います。
いまのパチンコ・金融CMの多さ、
スポンサーをみれば
いかにコメンテーターが民主党擁護してるか、
情報操作・印象操作してるかがわかります。
これは選挙前からです。
バー通いはあれだけ叩かれたのに、
鳩山さんは全くスルー。不思議ですね。
脱税していてもあの程度。
麻生氏は1年間で国の借金を78兆円減らしていましたが鳩山氏は3ヶ月で5兆円増やしましたね。
本当に自民党は失策だったのか?
むしろ麻生政権は大成功をおさめている。
報じられないだけ。
選挙前に自民党が唱えていた「全治10年」は
決して大風呂敷ではなく実績に基づいた根拠のある数字。
民主党はどうですか?
景気対策よりも先に売国政策を押し進めようとしてますね。マニフェストに書いていれば間違いなく勝てなかったはず。
民主党を叩きまくっている、というのはいささかおかしな話です。
投稿: 滋賀県在住 | 2010年1月14日 (木) 20時39分
滋賀県在住さん、コメントありがとうございます。
経済的な面では、滋賀県在住さんのおっしゃることに同意できるところが多いです。
安全保障面で見た場合、普天間の代替案に下地島の名が出たとき、第1列島線を構想する中国をけん制できる、かなりいい線の案だと感じました。
中国と米国は、フレッド・バーグスティンのG2構想を採用するかに見えました。そして安全保障も外交も接近をしました。
しかし、下地島という代替案を示すと再度日本に対し米国が興味を示します。
台湾との交渉畑が息を吹き返し、米国は今までの規定路線に戻りつつあるかのような状況です。
私は、安全保障面で民主党を再評価したいと思っています。
投稿: 宮尾孝三郎 | 2010年1月14日 (木) 23時24分