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2009年11月16日 (月)

オバマ大統領、アジア政策について演説

アメリカ合衆国オバマ大統領訪日時における演説の全文を紹介します。

在日米国大使館ホームページより

【以下、転載開始】-------------------------------------

バラク・オバマ大統領の演説
サントリーホール
東京、日本

日本標準時 午前10時12分

オバマ大統領:大変ありがとう。ありがとう。本当にありがとう。(拍手)
おはようございます。米国大統領としての初のアジア歴訪に際して、最初に東京を訪れることは大変な光栄です。(拍手) ありがとう。長年の友人であり米国の新駐日大使であるジョン・ルースをはじめ、日米両国の絆を強化するため毎日働いている多くの皆さん‐日本国民と数人アメリカ人がここにいるようですが‐皆さんとご一緒できることはいいことです。(拍手)

日本を再訪するのは素晴らしいことです。ご存知の方もあるかと思いますが、少年時代に母に連れられて鎌倉を訪れました。そこでは何世紀にもわたって平和と安寧の象徴になってきた青銅製の大仏像を見上げたものです。そして子供だった私は、抹茶アイスクリームの方にもっと関心がありました。(笑い)そして、私は昨夜の晩餐会の際に子供の頃の思い出を分かち合うべくアイスクリームを出してくださった鳩山首相にお礼を申し上げます。(笑いと拍手)ありがとうございます。しかし私は、故郷を遠く離れ訪ねてきたアメリカ人の少年に日本の人々が示してくれた暖かさともてなしを忘れたことはありません。

そして、私は今回の訪問でも同じスピリットを感じています。鳩山首相の優雅な歓迎の中に、天皇陛下ご即位20周年を迎えられた天皇・皇后両陛下にお会いする非常な栄誉の中に、日本国民により示された暖かいもてなしの中にそれを感じます。そしてもちろん、小浜市民の皆さんに私のご挨拶と感謝の言葉を伝えることなくしては、ここに来ることはできませんでした。(拍手)

さて、今回の歴訪を日本から始めるのは、単純な理由からです。私は就任以来、相互利益と相互尊重に基づいて、アメリカのリーダーシップを取り戻し、世界への新しい取り組みの時代を追求するために努力してきました。そして、アジア太平洋における私達の努力は、米国と日本の永続的かつ再活性化された同盟関係に大いに根ざしたものになるでしょう。

就任当初から、私達は日米両国の絆を強化するために努力してきました。私がホワイトハウスで最初にお迎えした外国指導者は日本の首相でしたし、この50年間で初めてのことですがアメリカの国務長官、ヒラリー・クリントンの最初の外国訪問はアジア歴訪であり、それも日本から開始されました。(拍手)

日米同盟は2ヶ月後には50周年を画することになり、50年前のその日、ドワイト・アイゼンハワー大統領は日本の首相の隣に立って、日米両国は「平等と相互理解」に基づく「不滅のパートナーシップ」を構築してゆくと述べました。

それ以来半世紀にわたり、この同盟関係は日米の安全保障と繁栄のための基盤として持続されてきました。この関係は、日米が世界の二大経済大国になるのを助け、日本は北米外での米国の2番目に大きな貿易相手国として台頭するようになりました。日本が世界的舞台でより大きな役割を果たすようになるにつれ、同盟は進化し、世界の安定に重要な貢献をしてきました。具体的には、イラク復興からアフリカの角の沖合いでの海賊行為との戦い、アフガニスタンおよびパキスタンの国民への支援にまで及んでおり、最近では、それは卓越したリーダーシップを通して同地域での国際開発努力への追加コミットメントを提供するといったことです。

日米同盟が持続してきたのは、何よりもそれが両国の共通の価値観を反映したものであったからです。その価値観とは、自由な人々が自分達の指導者を選び、自分達の夢を実現する民主的権利への信念、鳩山首相と私自身が変化の公約に基づいて選挙されることを可能にした信念です。私達は共に、日米両国民と日米同盟のための新しい世代のリーダーシップを提供することに取り組む決意です。

だからこそ、私達2人は、歴史のこの重要な瞬間にあって、日米同盟を再確認しただけでなく、それを深めることで合意しました。沖縄駐留米軍の再編に関して両国政府が達成した合意を実施するために、共同作業グループを通して迅速に進めてゆくことで合意しました。そして日米同盟が進化し、未来に向けて適応するにつれ、アイゼンハワー大統領がずっと前に描いた精神、すなわち平等と相互尊重のパートナーシップを守るべく常に努力するでしょう。(拍手)

しかし、私達の当地域へのコミットメントは日本で始まりますが、ここで終わるものではありません。アメリカ合衆国は大西洋岸のいくつかの港湾と都市から始まったかもしれませんが、何世代にもわたって太平洋国家でもあり続けてきました。アジアと米国はこの大洋により隔てられているのではなく、結び付けられています。私達はその過去により、アメリカを打建てるのを助けたアジア系移民により、また当地域の安全と自由を守るために奉仕し犠牲になった何世代にもわたるアメリカ兵により、結び付けられています。私達は共有された繁栄により、何百万もの雇用と家族がそれに依存する貿易と商業により、結び付けられています。そして私達は、両国の国民により、アメリカの生活の全ての部分を豊かにしているアジア系アメリカ人により、日米両国のように、その人生が互いに織り合わされた全ての人々により、結び付けられています。

私自身の人生はその物語の一部です。私はハワイで生まれ、インドネシアで少年時代を過ごしたアメリカの大統領です。私の妹のマヤはジャカルタで生まれ、後に中国系カナダ人と結婚しました。私の母は、東南アジアの村落で働き、女性達がミシンを購入するのを助け、世界経済への足掛かりを与える教育を得るのを助けて、ほぼ10年間を過ごしました。ですから、環太平洋地域が私の世界観形成を助けました。

そして、それ以来、同地域ほど急速にあるいは劇的に変化してきた地域はおそらくないでしょう。統制経済は開放された市場へと移行しました。独裁国家は民主主義国家になりました。貧困が激減する半面、生活水準が向上しました。そして、これらの全ての変化を通じて、アメリカとアジア太平洋の運命は、これまでになく緊密に連結されてきました。

ですから、私は、私達の利害関係がこの地域の将来に大きく関わっていることを全ての人に知ってほしいし、アメリカの全ての人に知って欲しいと思います。なぜなら、ここで起こることは米国での私達の生活に直接影響するからです。私達はここで、商業のかなりの部分を営み、商品の多くを購入しています。そして、ここに米国製品をより多く輸出し、その過程で米国で雇用を創出することができます。まさしくここで、核兵器競争のリスクが世界全体の安全保障を脅かしており、偉大な宗教を冒涜する過激主義者は日米両国への攻撃を計画しているのです。アジア太平洋地域の新興国、開発途上国なしでは、私達のエネルギー安全保障と気候の挑戦に対する解決策はありえません。

これらの共通の挑戦に対処するため、米国はこの地域の国々との旧来の同盟関係を強化し、新しいパートナーシップを構築することを期待しています。これを為すために、私達はアメリカの日本、韓国、オーストラリア、タイ、フィリピンとの協定による同盟関係に目を向けています。この同盟関係は、過ぎ去った時代の歴史的文書ではなく、私達の共同の安全保障にとって根本的な相互に対する不変のコミットメントです。

これらの同盟関係は、この地域の国々および諸国民が、私が少年時代に日本を初めて訪問した時には想像できなかった機会と繁栄を追求することを可能にする安全保障と安定の基盤を提供し続けます。アメリカの軍隊が世界中で2つの戦争に関与する間ですらも、日本の安全保障とアジアの安全保障に対する私達のコミットメントは揺るぎないものであり、‐(拍手)‐それは当地域全体への米国の展開に、何よりも私が非常に誇りとする若い米兵男女を通して見ることができます。

さて、私達は、アジア太平洋地域および世界中の、同じようにより大きな役割を果たす用意がある新興国に期待しています。民主主義を取り入れ、経済を開発し、自国民の大いなる潜在的能力を活用してきたインドネシアやマレーシアのようなところです。

私達は、21世紀においては、一国の国家安全保障と経済成長を達成するには他国を犠牲にする必要はないという見方をもって台頭する国々に期待しています。米国が中国の台頭をどのように見ているかに疑問を表明する人々が多くいることを、私は知っています。しかし、私が述べたように、相互に結び付いた世界においては、力はゼロ・サム・ゲームである必要はなく、国々は他国の成功を恐れる必要はありません。競合する勢力圏ではなく、協調圏を培うことがアジア太平洋地域の進歩に繋がるでしょう。(拍手)

さて、どんな国でもそうであるように、アメリカは自国の国益に焦点を当てて中国にアプローチします。そして、まさしくこの理由のゆえに、共通の関心事項に関して中国と実用主義的協力を追求することが重要です。なぜなら、いかなる国も単独で21世紀の挑戦課題に対処することはできず、米国と中国は課題に一緒になって対処する時に両国ともより良い立場に立てるからです。だからこそ、私達は、世界舞台でより大きな役割、その成長する経済力に伴って増大する責任のある役割を果たそうとする中国の努力を歓迎します。中国のパートナーシップは、経済回復を活発化させようとする私達の努力にとって重要であることが立証されています。中国は、アフガニスタンとパキスタンの安全保障と安定を促進してきました。そして中国は今、世界的な核不拡散制度に従うことを誓っており、朝鮮半島の非核化追求を支援しています。

ですから、米国は中国を封じ込めることを求めてはいませんし、中国とのより深い関係は日米二国間同盟の弱体化を意味するものではありません。逆に、強力で繁栄する中国の台頭は、国々の共同体の力の源泉となりえます。

また、それゆえに、私達は、北京やその他の場所で米中の戦略経済対話を深め、米中両国の軍のコミュニケーションを改善するよう努力します。もちろん私達は全ての問題について合意するわけではなく、米国は重要視する根本的価値観を主張するのをためらうことはしません。その価値観は、全ての人々の宗教と文化に対する尊重を含みます。人権と人間の尊厳性に対する支持はアメリカに深く根付いているからです。しかし私達は、これらの話し合いを憎しみではなく協調精神で推し進めることができます。

日米二国間関係に加え、多国間機関の成長がこの地域の安全保障と繁栄を増進すると私達はまた信じています。米国が近年、これらの機関の多くへの関与を停止してきたことを私は知っています。はっきり言いましょう。そのような時代は過ぎ去りました。アジア太平洋国として、米国はこの地域の将来を形作る話し合いに関与し、機関が設立され発展する時に適切な機関に全面的に参加するつもりです。(拍手)

それが、私がこの歴訪で始める仕事です。アジア太平洋経済協力フォーラムは地域的商業と繁栄を促進し続け、私は同フォーラムに今晩参加するのを心待ちにしています。ASEANは、東南アジアの対話、協力、安全保障の触媒であり続けるでしょうし、私は10人のASEAN指導者全員に会う最初のアメリカ大統領になることを待望しています。(拍手) そして米国は、東アジア・サミットがこの時代の挑戦課題に対処するうえで役割を果たす中で、同サミットに関与することを待望しています。

私達がこのようなより深く幅広い関与を追求するのは、私達の集団的未来がそれに左右されるのを知っているからです。私は、未来がどのようなものになりうるか、私達の繁栄、安全保障、普遍的価値観と願望を前進させるために何をしなければならないかに関して少しの間話したいと思います。

第1に、私達は経済回復を強化し、均衡が取れ、かつ持続的な成長を追求しなければなりません。

アジア太平洋諸国やその他の国々が講じる迅速で前代未聞な調整された行動が経済的破滅を回避し、私達が過去何世代かにおける最悪の景気後退から脱却し始めるのを助けました。そして私達は国際経済構造を改革する歴史的一歩を踏み出し、その結果G20が今国際経済協力の中心フォーラムになっています。

さて、このG20への移行は、国際金融機関においてアジア諸国に与えらつつあるより大きな発言権とあいまって、アメリカが21世紀に求めているより幅広く包括的な関与を明らかに示しています。そして、G8の重要構成員として、日本は国際金融構造の未来を形成してゆくうえで主導的かつ重要な役割を果たしてきましたし、今後も果たし続けるでしょう。(拍手)

経済回復を目の前にしている今、私達はそれが持続的な回復になるよう保証しなければなりません。私達は、世界的な景気後退をもたらしたと同じ景気と不景気の循環に戻ってゆくことはできません。私達は、このような不均衡な成長を生み出した同じ政策に従うことはできません。この景気後退が私達に教えた重要な教訓の1つは、主にアメリカの消費者とアジアの輸出業者に依存しながら成長を促進することの限界です。アメリカ人が過大な債務を抱え、あるいは職を失って失業した時に、アジアの商品に対する需要が急激に下落したからです。需要が急激に下落した時、この地域からの輸出も急激に下落しました。この地域の経済は余りにも輸出に依存しているため、経済成長が停止しました。そして世界的景気後退は一層深刻になったのです。

ですから、私達は今、歴史において、異なる道を選ぶ機会を持つ稀な変曲点に到達しています。そして、それは均衡の取れた経済成長のための新戦略を追求するというピッツバーグでのG20の誓約から始まらなければなりません。

私はシンガポールでこれについてもっと述べますが、米国ではこの新戦略は、貯蓄を増やし、支出を減らし、金融システムを改革し、長期的債務と借入れを削減することを意味します。それはまた、私達が構築し、生産し、世界中で販売できる輸出により重点を置くことを意味します。アメリカにとっては、これは雇用戦略です。現時点では、米国の輸出は、アメリカの何百万もの高賃金の雇用を支えています。この輸出を少しの量増やすことは、何百万もの新規雇用を創出する可能性を秘めています。こうした雇用は、風力タービンや太陽電池パネルから日常的に使用する技術まで全てを製造する雇用です。

アジアにとっては、このより良い均衡を達成することは、生産性の並外れた向上が可能にしたより高い生活水準を労働者と消費者が享受する機会を提供するでしょう。それは、住宅、インフラ、サービス産業への投資拡大を可能にするでしょう。そして、より均衡の取れた世界経済はより広くより深く到達する繁栄につながります。

米国は何十年間にもわたって、世界で最も開放された市場を維持してきましたし、その開放性が過去一世紀間にこの地域および他地域の非常に多くの国々の成功を助けてきました。この新時代において、世界中の他の市場を開放することは、アメリカの繁栄のためだけでなく世界の繁栄のためにも重要です。

この新戦略の不可分の部分は、野心的で均衡の取れたドーハ合意に向けての努力です。どんな合意でもいいわけではなく、世界中の市場を開放し輸出を増大させるような合意です。私達は、時宜を得た形でその目標を達成できるかどうかを確認するためにアジアのパートナーと協力する用意があり、その交渉に参加するよう地域の貿易相手国を招待します。

私達はまた、この地域の継続的な経済統合が地域諸国全ての労働者、消費者、企業に利益をもたらすと信じています。韓国の友人とともに、私達は韓国との貿易合意を推進するのに必要な課題に取り組みます。米国はまた、広範にわたる締約国が参加し、21世紀の貿易合意に相応しい高い基準を備えた地域合意を形成するという目標をもって、太平洋を超えたパートナーシップ諸国と関与してゆきます。

これが、私達がパートナーシップで協力しつつ、この景気回復を持続させ、共通の繁栄を促進できる方法です。私達はまた、私達の地球とそこに住む未来の世代のために、持続的な成長を必要とします。

すでに米国は、科学を受け入れ、新しいエネルギーに投資し、効率基準を高め、新しいパートナーシップを形成し、気候に関する国際的交渉に関与することにより、過去10ヶ月間に近年になされたより多くの気候変動への対抗措置を講じてきました。(拍手) 手短に言えば、アメリカはなすべき事がもっと多くあるのを知っていますが、その責任を果たしつつあり、今後もその努力を継続します。

そして、それはコペンハーゲンでの成功に向けての努力を含みます。私はこれが容易であるという幻想は抱いていませんが、前途に横たわる道筋は明瞭です。全ての国が自国の責任を受け入れなければなりません。私の国と同じく、主要な排出国になってきた国々は、明確な削減目標を定めなければなりません。開発途上国は、資金と技術の支援により排出量を抑制する実質的措置を講じる必要があります。そして、国内措置に対しては透明性と説明責任がなければなりません。

私達は各自が、地球を危険に曝すことなく自国経済を成長させるためにできることをしなければなりませんし、一緒にそれをしなければなりません。しかし、いいニュースは、私達が正しい規則とインセンティブを導入すれば、私達の国々の最高の科学者、技術者、起業家の創造的力を引き出すことができるということです。それは、新しい雇用、新しい事業、そして新しい産業を生み出すでしょう。そして、日本はこの課題の前面に立ってきました。私達は、この重要な世界的目標を達成する中で皆さんの重要なパートナーになることを心待ちにしています。(拍手)

しかし、私達が21世紀のこの挑戦に対処する間にも、20世紀の遺産であるセキュリティーへの脅威、すなわち核兵器がもたらす危険に対処する努力を倍加しなければなりません。

プラハにおいて、私は世界から核兵器を無くすることへのアメリカのコミットメントを確認し、この目標を追求するための包括的アジェンダを提示しました。(拍手)私は、日本がこの努力に参加したことを喜ばしく思います。地球上のいかなる二国も日米ほど核兵器の能力を知っている国々はないからであり、私達は核兵器のない未来を求めなければなりません。これは私達の共通のセキュリティーにとって根本的なことであり、私達に共通の人間性にの最大の試験です。私達の未来そのものが懸かっています。

さて、はっきり言いますが、核兵器が存在する限り、米国は韓国と日本を含む同盟国の防衛を保証する強力かつ効果的な核抑止力を維持します。(拍手)

この地域でエスカレートする核軍拡競争は、数十年間にわたり増大してきた成長と繁栄を損ねることを、私達は認識しなければなりません。このため、私達は核不拡散条約の基本的な契約、すなわち、全ての国は平和的な原子力への権利を持つ、核兵器保有国は核軍縮へと進む責任を持つ、非核兵器保有国はそれを断念する責任を持つという原則を支持するよう求められている。

実に、日本は、この道を選ぶことにより真の平和と国力を達成できるという世界に対する手本の役割を果たしています。(拍手)日本は何十年間にもわたって、核兵器開発を拒否しながらも平和的な原子力の恩恵を享受してきたし、いかなる尺度に照らしてもこのことは日本の安全を増大させ、その立場を強化してきました。

私達は、その責任を果たし、私がプラハで打ち出したアジェンダを前進させるために、この国際的努力を受容する国連安全保障理事会の決議を日本の助けを得て全会一致で承認しました。私達は、備蓄核兵器を削減するためのロシアとの新合意を追求しています。私達は、核実験禁止条約を批准し発効させるために努力します。(拍手)来年の核安全保障サミットで、私達は4年以内に世界の脆弱な核物質を全て保護管理するという目標を推進します。

さて、前に述べたように、世界的な核不拡散制度を強化することは、いかなる個別の国をも槍玉にあげるためのものではありません。それは全ての国が自国の責任を果たすためのものです。それはイラン・イスラム共和国も含みます。北朝鮮も含みます。

北朝鮮は何十年にもわたって、核兵器の追求も含めて、対決と挑発の道を選んできました。その道がどこに通じるかは自明なはずです。私達は平壌に対する制裁を強化しました。私達は、彼らの大量破壊兵器活動を規制するためのこれまでで最も広範囲にわたる国連安全保障理事会決議を採択しました。私達は脅しに屈することなく、言葉だけでなく行動を通じて明瞭なメッセージを送り続けます。それは北朝鮮の国際義務順守拒否は、安全を増すのではなく安全を損ねるだけだというメッセージです。

しかし選ぶことができる別の道があります。米国は、パートナーと提携し、直接の外交の支援を得て、北朝鮮に異なる未来を提示する用意があります。北朝鮮は、自国民の恐ろしい抑圧を悪化させてきた孤立ではなく、国際社会への統合という未来を手にすることができます。北朝鮮は極端な貧困の代わりに、貿易、投資、観光が北朝鮮国民により良い生活の機会を提供しうる経済的機会の未来を手にできます。それは増大する不安定ではなく、より大きな安全と尊敬の未来です。好戦的態度ではこの尊敬を勝ち取ることはできません。国際的義務を全面的に守ることにより国際社会に参加する国により、それは達成されなければなりません。

ですから、この未来を実現するために北朝鮮が取るべき道は明瞭です。6カ国協議に復帰し、核不拡散条約への復帰を含む従来のコミットメントを守り、朝鮮半島の全面的かつ検証可能な非核化を目指すことです。そして北朝鮮の近隣諸国との全面的な関係正常化も、拉致被害者の消息について日本の家族が全面的な説明を受ける時にのみ可能です。(拍手)これらは全て、北朝鮮政府が自国民の生活を改善し国際社会に仲間入りすることに関心があるならば、同国政府が講じることができる措置です。

そして私達は、この挑戦課題に対処することを怠らないと同時に、罪のない人々を虐殺する過激主義者を根絶し、海上交通路を脅かす海賊を阻止し、感染症を予防する努力を強化し、現代の極端な貧困を終結させる努力をし、女性、子供、移民を搾取する密輸業者を摘発し、この現代の奴隷制の禍に終止符を打つことにより、21世紀の超国家的脅威との戦いにおいて、アジアの全パートナーと協力します。実に、私達が協力しなければならない最後の分野は、全ての人間の基本的権利と尊厳性を守るということです。

アジア太平洋地域には、多くの文化が豊富に存在します。並外れた伝統と強力な国の歴史がその特徴になっています。私達は、何度も、人間の進歩を推進するこの地域の諸国民の卓越した才能と意欲を見てきました。しかし、これだけは明らかです。地域固有の文化と経済成長は、人権尊重により阻害されるだころか強化されてきたということです。人権支援はそれ以外の方法では買うことができない永続的な安全を提供してきましたし、そのことはアメリカの民主主義と同じく日本の民主主義が物語っています。

自由と尊厳性への希求は、諸国民全ての物語の一部になっています。それは、人間が共通にもつある願望があるからです。自分の心を表現する自由、指導者を選挙する自由、情報にアクセスする能力、自分の好む形で礼拝する能力、法の支配への信頼、司法の平等な運営などへの願望です。これらは安定の障害ではなく、安定の礎石です。そして私達は常に、これらの権利を求める者の味方です。

その真理は、例えば、私達のビルマへの新しいアプローチの指針になっています。長年にわたる善意の努力にもかかわらず、米国による制裁も他国による関与もビルマ国民の生活を改善することができませんでした。このため、私達は今、指導者層と直接話し合い、民主的改革への具体的措置が講じられるまでは現行の制裁は継続することを明瞭に伝えています。私達は、統一され、平和的で繁栄し民主的であるビルマを支持します。そして、ビルマがその方向に移行するならば、米国とのより良い関係が可能です。

講じられなければならない明確な措置があります。アウン・サン・スー・チーを含む全ての政治囚の無条件釈放、少数民族グループとの紛争の停止、未来に向けての共有されたビジョンに関する政府、民主的反対勢力、少数民族グループの間の本物の対話などです。それが、ビルマ政府が自国民の欲求に答えることができる方法です。それがビルマに本当の安全と繁栄をもたらす道です。(拍手)

これらは米国が、アジア太平洋で繁栄、安全、人間の尊厳性を改善するために講じる措置です。私達はそれを、日本との緊密な友好関係を通じて実施します。その関係は当地域における私達の努力の中心的要素です。私達はそれを、私が今日話したより幅広い関与を通じて、パートナーとして実施します。私達は、世界のこの地域で部分的に人間形成された大統領のいる太平洋国家として、それを行います。そして、私達は、50年近くにわたって私達の日本国民との絆を導いてきた同じ目的観でそれを行います。

その絆がどのように培われたかについての物語は、前世紀の半ば、太平洋における戦火が沈静した後のある時点にまで遡ります。アメリカの日本の安全と安定へのコミットメントと日本国民の粘り強い勤勉な精神が日本の奇蹟と呼ばれてきたものを生み出しましたのは、その時でした。それは世界がそれまでに目撃してきたいかなるものよりも急速で強力な経済成長の期間でした。

その後数年間、数十年間にわたり、この奇蹟は当地域全域に拡大し、単一世代で何百万人もの生活と運命が永久により良い方向に変化しました。それは、懸命な努力により勝ち取られた平和により支援され、この膨大かつ広大な空間にある諸国を結びつけた相互理解の新しい橋により強化されてきました。

しかし、私達はまだやるべき仕事があるのを知っています。それにより、科学技術の新たな突破口が太平洋の両岸に雇用を生み出し、温暖化する地球からの安全をもたらし、恐ろしい兵器の拡散を逆転させ、分断された半島で南の住民が恐れから解放され、北の住民が貧困から解放されて生きることができるようにし、少女がその体ではなく精神のゆえに貴重視され、あらゆる場所の若者達が才能と意欲と選択による可能性を充分に発揮して目標に到達できるようにするためです。

このいずれも実現は容易ではなく、後退や闘争なしで実現できるものでもありません。しかしこの再生の瞬間に、この奇蹟の地において、歴史はそれが可能であることを私達に告げています。これはアメリカの課題です。これは私達の日本との、そしてこの地域の諸国および諸国民とのパートナーシップの目的です。そして、疑いの余地もなく、アメリカの最初の太平洋地域の大統領として、私は、この太平洋国家がこの世界の非常に重要な地域においリーダーシップを強化し持続させることを約束します。

大変ありがとうございました。(拍手)

【転載終わり】----------------------------------------

この演説は、重要な内容が数多く含まれています。また、その方向性はCFR(外交問題評議会)に一致しているものと思われます。

今後の専門家による分析が待たれます。

宮尾 孝三郎

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