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2009年11月11日 (水)

姉妹都市訪問と行政視察のご報告09

さて、11月5日の研修項目である「省エネ住宅団地でのエコロジー生活」についてレポートしましょう。

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↑研修場所は「ハイデルベルク市公会堂」であります。

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↑歴史的な建物のなかに、エレベータが設置されていました。高齢者や体の不自由な方などへの配慮です。

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↑この訪問団の代表である武田団長は、この日の講師ハインズさんに扇子の贈り物を渡しました。

ハインズさんは、プライベート企業の関係者でありますが、ハイデルベルク市の相談を受ける立場にあります。

さて、ココからは、ハインズさんの講義の要旨であります。

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↑通訳を介しての講義開始

1990年、ハイデルベルク市の市長として、ヨーロッパ共同体で環境相をしていたウェーバー氏(女性)が当選しました。

ここから、ハイデルベルク市における先進的な環境行政が始まります。

彼女の主張は「市民の参加しない行政は市民の支持がいただけない」であり、市民参加型の市民ぐるみの環境に関する取り組みを開始します。

しかし、市民に積極的に動いてもらう為には、まずモデルとなる動きが必要であります。市長は、市議会議員や市職員に省エネ生活をするよう指示します。そして、環境におけるスペシャリストの育成にも力を入れていきます。

また子どもたちが議員・職員になりきり、「もし、私が環境行政の担当者だったら」と考えさせる機会を年に一度イベントとして行い、これが『E-チーム』という恒常的なプログラムに発展していきます。子どもたちの意識の変革は、家庭へ持ち帰られます。そして、家庭内での意識変革につながっていきます。

しかし、当初の動きの中には失敗もありました。最初、市民を公会堂に集め、省エネ生活を促し、理解を求めましたが、市民は関心を示さず、だれも動こうとしませんでした。

そこで、今度は地域別の代表者、企業、商工会議所関係者などを集め、再度の省エネ生活への移行に関する説明を行い、理解を求めました。ここから、ハイデルベルク市の省エネ行政が始まります。

そして1992年ごろには、潜在的にどの分野のどの取り組みでどの程度の二酸化炭素が削減できるか、書類が市役所に集まってきました。

そこで、一般市民に啓蒙する為の「環境展示会」を行います。

このように、ウェーバー市長の政策推進は、順調に推進されていきますが、1996年ドイツの地方自治体で財政面での問題が発生します。(このタイミングは日本でも同じです。)

その頃から、環境に関する企業も財政面から減少していきます。

そのような紆余曲折がありながらも、ハイデルベルク市は諦めることなく、ソーラーエネルギー、温水暖房装置、遠隔暖房装置、断熱材などを駆使し、二酸化炭素削減を推進し続けました。

ソーラーパネルの導入について

ソーラーパネルは、交流電源で運用すると30年程度の運用が可能です。そして、ハイデルベルク市では、ソーラーパネル導入に際し20年間の補助を行うこととしています。そして、公共施設にも当然ソーラーパネルの設置を行いましたが、スイミングプールに設置したところ、その日の夜のうちに盗難に遭い、そのすべてを失いました。

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↑スイミングプールのソーラーパネル盗難の受難を報じる当時の新聞。右の写真が完成した様子。左の写真は翌日の盗難に遭ったあとの状況。

ここで、私は質問を行いました。

Q ハインズさんは、ソーラーパネルの寿命を30年と想定しておられますが、私の知る建物で5年で発電能力が低下した事例があります。

A そのような事例は、ドイツでもあります。ドイツの銀行では、中国製のソーラーパネルの導入に融資をしません。また、中国製のソーラーパネルを導入する場合には、保険に入っておくことにしています。モジュールの生産国は慎重に選ぶことが重要です。

温水暖房装置について

マンハイムに焼却炉がありますが、チップスやペレットを燃焼させ、熱湯をつくっています。それを十分に断熱したパイプラインに流し、住居地一帯(2~3km²規模の住宅地)ごとに供給しています。そのパイプラインの一番伸びたところで30kmの距離に送っている例もあります。

温水を供給している地域には、暖房に石油や電力を使いません。また、建物に高性能の断熱材を使用させることにより、暖房効率は飛躍的に向上します。

水中発電所について

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↑ネッカー川に架かる橋のマルの部分は、水が泡立っています。ここの水中に2つのタービンがあり5000軒分の発電を行っています。

このように、どの地域でどのような再生エネルギーが適合するか研究を行い、複合的な再生エネルギー要素をどのように統合して運用するか可能性を模索しています。

ここで、私は2つめの質問をおこないました。

Q これらのシステムは市が統合してコントロールしていますか?あるいは、各所ごと任せていますか?

A おっしゃるように、2つの考え方があります。市の行政でまとめて運用することも可能ですし、家庭つまり個人に援助金を出して、各戸ごと環境行政に誘導していくこともできます。

まだ、研究段階で、答えを導き出すところまで至っていません。

ただし、今後の宅地造成については、下水道も含め再生エネルギー利用というコンセプトで統一してまいります。

さて、座学はこのあたりで終了し、2つの特徴的な取り組みを実際に見学させていただくこととしました。

宮尾 孝三郎

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