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2009年7月 2日 (木)

予算書と総合計画を読み解く作業…反面教師編

6月30日の当ブログで「予算書と総合計画を読み解く作業」という記事を書かせて頂きました。

『予算書にある使途が、地方自治体の憲法にも例えられる総合計画にうたわれているか否か、そして現地での現状を確認して、来年度予算やそれ以降の見通しも立てる』という話を、柳が崎湖畔公園を例に紹介させて頂きましたが、あれは、通常の例です。

本日は、その反面教師的事例について紹介しましょう。

題材となるのは、このブログでお馴染みの「国際交流について」であります。

大津市は、1969(昭和44)年のアメリカ合衆国ミシガン州ランシング市と姉妹都市協定を結びます。これが本市における国際交流の幕開けとなりますが、当時は旅行の際、外貨の持ち出しは500ドル以下と制限されていたようです。そのような状況下でも、市民交流や文化交流は切望されておりましたので、姉妹都市協定が望まれたのだと、職員OBの方に伺いました。

このような時代背景があり、姉妹都市協定がなされたのであります。

その後、スイス国インターラーケン市、ドイツ連邦共和国ヴュルツブルク市、中華人民共和国黒龍江省牡丹江市と結んでいきますが、1990(平成2)年の大韓民国慶尚北道亀尾市との姉妹都市締結が最後になります。

我が国は、平成に入り急激な外国人の増加を見ることになります。そこで考えられたのが、国内における国際化「多文化共生」であります。

さて、平成19年度から平成28年度に至るまでの10年間「大津市総合計画基本構想」を策定し、その「第1期実行計画」に従って本市は平成19年度から平成21年度までの計画を示されています。

その計画内で『基本政策4 互いを認め、支え合うまちにします…6 多様な文化が共生するまちづくり』内で、『1 国際交流の推進… ● 市民による国際交流活動への支援… * 「大津市国際交流サロン」の運営に対する助成… * 国際交流に関する情報の収集と提供… ● 姉妹・友好都市との交流の推進… * 国際親善訪問団の受入れ・派遣』とあります。

また、『基本政策6 古都の風格と新しい感性がともに息づくまちにします… 2 市民文化の香り豊かなまちづくり』内で、『1 文化に親しむ機会の充実… ● 文化活動を通じた交流の推進… * 姉妹友好都市との文化交流の推進』ともあります。

上記の総合計画第1期実行計画当該記述を咀嚼(そしゃく)すると「新姉妹・友好都市調査」が入る余地があるというのでしょうか?

また、平成21年度当初予算書を見ましても『3 歳出… 款2 総務費… 項1 総務管理費… 目24 市民交流費… 説明欄6 国際親善推進費…34,228,000円』とありますが、ここに「新姉妹・友好都市調査経費として… オーストラリア・モスマン市に2,011,000円… ロシア・エカテリンブルク市に6,488,000円」が含まれていようとは、疑ってかかって調べない限り、出てくる数字ではありませんでした。

要するに、総合計画にうたわれておらず、予算説明もなく、ひとしれず内々で調査をしようということが明らかでした。

なぜ、その説明が平成21年2月定例会での代表質問(大志会・泉議員、清正会・谷議員)が行われるまで明らかにされることがなかったのか、今でもその疑問は払拭されません。

平成21年3月13日の定例記者会見で目片市長が発言された「過去に5カ国とされている。私もやっぱり足跡を残したいなということが1点。」という部分について、分かりやすく解説すると「西田善一市長(昭和39年10月から昭和47年10月まで)、山田耕三郎市長(昭和47年9月から昭和55年5月まで)そして、山田豊三郎市長(昭和55年6月から平成15年12月まで)のように、自分の代にも、姉妹・友好都市締結を行いたい。」という発意であります。

西田善一、山田耕三郎、山田豊三郎の各氏が市長のときに、市長の個人的な想いだけで、姉妹都市締結が行われていたと解釈されているのなら、それは勉強不足といえます。

そこには、万国博覧会をはじめ、国際博覧会時代という時代背景や、為替変動相場へ移行するまでの海外旅行の不自由さ、その市民のレスポンスなどが融合し、締結にまでこぎつけています。韓国については、韓国が軍事政権下のころから、大津商工会議所と亀尾市の商工会議所が交流をされており、1986(昭和61)年に商工会議所同士が姉妹提携を結んでいます。朴正煕(パク・チョンヒ)~全斗煥(チョン ドゥファン)という軍事政権下での韓国と市民交流をするのはこのようなテクニックが必要だったのです。そのような草の根の活動が大津市による姉妹都市締結につながったのです。(ちなみに朴正煕の生まれは亀尾市)

目片市長がロシア・エカテリンブルク市との新姉妹都市調査を担当部局に指示したのは、その市長の個人的な想いを、友人として具現化してやろうと働きかけた特定非営利活動法人の理事長による本市に対する(というか、友人目片氏に対しての)提案がきっかけでありました。

いくら市民団体の提案とはいえ、その発意は「目片市長の足跡を残させてやりたい」という一般市民不在の私的な動機であります。

このような、私的な事情が行政事務になることは、ありません。どこまで行っても公私混同と謗り(そしり)を受けることとなります。

この安易な想いが、今回の2月議会以降の混乱となり、今も収拾されることなく枝葉(えだは)のつまずきが、市政全体に影響を及ぼしています。

総合計画の実行計画は、平成21年5月15日、“議決事項”となりました。今後は、議会の監視がよりいっそう厳しくなります。『総合計画という地方自治体の憲法ともいうべき方針が、ポンチ絵ではなく、予算に裏づけされた計画である。』という事を念頭に、市政に望んで頂きたいと思います。

平成22年から平成24年度までの期間で「第2期実行計画」が策定されることとなっています。市長が『本当に出来る、やらねばならない』と考えることだけをそこに記述し『出来ない、やらない』ことは決して書かない、という覚悟と決意がなければ、このような混乱が再び引き起こされることでしょう。

↓私が、この6月議会でこの問題を、市長に直接質問しています。

宮尾 孝三郎   国際交流について  57分46秒

↑クリックして、是非是非ごらんくださいthunder

宮尾 孝三郎

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